【就活・転職】銀行と信託銀行の違いとは
銀行と信託銀行の違いってわかりますか?
きっと街中で見かけたことはあるけどよくわからない、という方が多いのではないでしょうか。
そもそも信託銀行を知らない方も結構いるかもしれませんね。
今回は、「銀行と信託銀行の違い」をできるだけかみ砕いてご説明します!
就職活動をする際、今回お話する内容くらい知っておけば大丈夫かと思いますので、ご参考にしてください!
目次
1.銀行と信託銀行の違い
1-1 業務範囲が違う
銀行と信託銀行の最も大きな違いは、遂行する業務にあります。
具体的には、銀行は「銀行業務」のみを行いますが、信託銀行は「銀行業務」に加えて「信託業務」を行うことができます。
銀行業務は、ATMでお金を預けたりして皆さんも使用している「預金業務」や企業への融資といった「貸出業務」等があります。
信託業務は、「金銭や不動産等様々なものの信託」(後述)や不動産の売買仲介等を行う「不動産関連業務」、株主名簿管理等を行う「証券代行業務」、遺言整理等を行う「相続関連業務」、等があります。
「銀行業務」と「信託業務」のどちらも行える信託銀行は、仕組み上銀行よりも行える業務が多いこととなります。
1-2 規模が違う
信託銀行の方が業務範囲が広いから凄いのか、と思われた方もいるかもしれませんがそんなこともありません。
業務規模は圧倒的に銀行の方が巨大だからです。
銀行業務に経営資源を集中していることもあり、業務拠点数、従業員数、利益、その全てにおいて、銀行が信託銀行を上回っています。
例えば、三菱UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行の2019年3月末時点の店舗数を比較した場合、
三菱UFJ銀行(国内596店、海外113点)、三菱UFJ信託銀行(国内52店、海外11店)
と実に10倍以上の差があります。
近年はマイナス金利の影響もあり、銀行業務で利益を出すことが難しくなっています。
そのため銀行と比べて規模の小さい信託銀行は、不動産や運用といった利益率の高い信託業務に力を入れ、銀行業務を縮小していっています。
2.信託業務とは
信託業務がどんなものかイメージがつかない方も多いと思います。
細かく説明すると、信託業務には、金銭や不動産を預かる信託と、不動産・証券代行業務といった併営業務とも呼ばれる業務がありますが、今回はまとめて信託業務として説明しています。
2-1.そもそも「信託」とは
信託は「信じて託す」と書く通り、財産を信頼できる第三者に託して、管理等を行ってもらうことです。
信託の始まりは、中世イングランドに遡ります。
当時イングランドで、土地を保有するお父さんが自分が死んだ後に妻や娘がその土地を管理できなくなってしまうことを危惧し、信頼できる第三者に譲渡し妻や娘のために管理してもらう「ユース」という仕組みが誕生し普及していきました。
このユースが信託の起源となっています。
「信託銀行=信頼できる第三者」となり、顧客からお金等を預かり、責任を持って管理(運用したりする)することが、信託となります。
お金を預かるのが、「金銭信託」
不動産を預かるのが、「不動産信託」
といったように様々な信託があります。
信託の仕組みを簡単な図にまとめてみました。
「委託者」が財産を託す顧客、「受託者」が財産を託されて管理運用する信託銀行、
「受益者」が財産から生まれる利益を得る者、となります。
なお信託には「自益信託」と「他益信託」があります。
「自益信託」は、委託者と受益者が同一の信託、
「他益信託」は、委託者と受益者が別々の信託、
となっています。
図の例は、他益信託となっています。
少し難しいですが、信託銀行に財産を信託した人は自分で利益を享受することも可能だと、頭の片隅に置いておいてください笑
2-2.信託銀行で行う信託業務とは
信託銀行では、信託業務を行える強みを活かしてどのような部門を持ちサービス提供を行っているのかご説明します。
・リテール部門
個人顧客向け部門です。
銀行業務である預金だけでなく、遺言信託、不動産といった信託銀行の機能を活かした信託業務のサービス提供を行うことを強みとします。
銀行と比べて、高齢者等富裕層にターゲットを絞って営業しています。
・受託財産部門
資産運用・資産管理・年金といった信託銀行固有業務を行います。
企業年金、公的年金、公的資金、投資信託などの各種資金に関する資産の運用・管理サービスを提供しています。
・不動産部門
不動産の売買・賃貸借の媒介・管理、不動産鑑評価等、信託銀行固有のサービスを提供しています。
また三菱UFJ信託銀行では、不動産部門内の賃貸借等を同社100%子会社の三菱UFJ不動産販売に委託し、自社は収益率の高い売買に特化する、といったように業務の効率化も行っています。ご参考に、三菱UFJ不動産販売のリンクを貼っておきます。
・証券代行部門
株主名簿管理から株主総会の支援、買収防衛策まで、法人向けに様々なサービスを提供する信託銀行固有の部門です。
・市場国際業務
海外支店・子会社ネットワークを通じて金融サービスの提供や国内外の市場の運用・資金繰り管理といったことを行います。
採用データ等、就職・転職活動時の詳細情報はこちらのシリーズ本が参考になりました。